電子書籍の組版を考える

「電子書籍における組版の何を考えるべきか」本間淳さん

本間淳さん

発表資料

20110806_ebook-typo_homma_slide.pdf

[資料P1]

本間と申します。よろしくお願いします。

[資料P2]

[資料P2]まず自己紹介ですが、私の本業は、組版とは関係のないシステム開発で、その意味では組版に関しては素人です。ただ、紙の本を読むのが好きで、トイレや布団の中では活字がないと手持ち無沙汰で困るという類いの人間です。

2年前の秋にドコモからAndroidの携帯電話が出まして、たまたまそれを買ったら、まともに「読める」アプリがなくて困りました。その当時にも青空文庫のビューワの類いはあったのですが、Androidって標準のフォントがあまり品質の良くないゴシック体で、そのゴシック体で、横組みで、しかも禁則処理なんてまったくなし、みたいな(笑)。そんなようなビューワしか基本的にはなかったんですね。それで、ちょっと読める気がしない状況だったので、自分で、明朝体で縦組みで禁則処理もするビューワを作って公開しました。おかげさまで今は10万人くらいの方が使ってくださっています。

[資料P3]

[資料P3]どんなものかというと、これが画面をキャプチャしたものです。例えばここ(右図)の1行目は、行頭禁則で追い出しをして、行末はジャスティファイして揃えてという形で、こちら(左図)も1行目は追い出していて、4行目は行末追い込みにしていますね。ここの3行目行末の全角ドリにしている読点と、4行目行末の二分ドリにしている読点が、片方全角ドリ、片方二分ドリで揃っていないのが気持ち悪いとか、5行目行頭のかぎ括弧を天付きにしていないとか、いろいろツッコミどころはあると思いますが、今のところこのような感じで表示されるビューワを作っています。

[資料P4]

[資料P4]もともと私は組版に関しては素人だったわけですが、このビューワを作るときに、自分がこれまでなじんできた紙の組版を勉強して、ああ組版というのはおもてなし、もしくは気遣いの技術なんだなあと思ったんですね。何がおもてなしかというと、事前にどうやれば読みやすくなるだろうかとか、どうやったら分かりやすくなるだろうかとか、さまざまな気遣いをした上で、かつ美しく見えるようにする。そういうことのバランスをとる作業だということですね。

ここで、活版時代の例えば四分アキ組みのように文字が横方向にも揃っている方が美しいと思う人もいれば、文字が横方向に揃わなくなっても追い出し追い込みをして行末揃えにした方がきれいだと思う人もいて、どうバランスをとるのかというところに好み、もしくは主義主張があったりする、そのような技術なのかなと思いました。

そんなところに、ちょうど去年は電子書籍元年ということで、いろいろな電子書籍、アプリもしくは電子書籍端末が出てきました。でもそのときにメインに取り上げられるのは、本棚風の操作画面とか、本がびょーんと飛んできてページをめくったりするアニメとか、そんなことばかりでした。それは紙の模倣ではあるけれど、気遣いとかおもてなしとは関係ない領域で、そういうところではないところで電子書籍の組版としてできる気遣い、読みやすさを高めるような気遣いというものがあるんじゃないか、それが素人の素朴な疑問でした。写真が、絵画を模倣した写真から写真にしかできない表現へと向かったように、電子書籍も、紙の書籍の単なる模倣から電子書籍の特質を生かした組版の探求へと向かう、今日はそのことを考えてみたいと思います。

[資料P5]

[資料P5]電子書籍における組版とは何だろうと考えたときに、考え方の基本、道しるべとして、今までいろいろ積み上げられてきた紙の組版ルールは、そもそもは解決したい課題があるんだということに目を向ける。解決したい課題を、紙の上でどう解決するかということをいろいろ考えた末に紙の組版ルールは生まれているので、同じ課題に立ち戻って、それが電子書籍の特質を生かした環境ではどう解決されうるのかを考えると、電子書籍の組版ルールというものが導けるんじゃないかと思います。

そこには電子書籍ならでは発生する新しい課題もあって、例えば文字の大きさがいろいろ変えられるとか、紙の本と違ってパラパラっとめくることができず、ナビゲーションがすごく悪いとか、そういうことが引き起こす新しい課題もあります。

[資料P6]

[資料P6]課題解決策としての組版ルールを考えたときに、電子書籍になって消滅するルールもあれば、新しく登場するルールもあるかなと思いますが、まずは消滅するかもしれないルールについて。紙の上での解決策としては存在しているルールであっても、紙の制約から自由になったときに消えてしまうようなものがあるかどうか。

例えば活版から写植になったときのことを考えると、活版時代は行中に括弧書きで小さいサイズで注を入れる場合、植字していくときに中央揃えは作業効率が悪かったので右揃えにしていたものが、写植になるとなにもそうする必要がなくなったので中央揃えになった、鉛の制約から自由になったときに組み方が変わったということがあったと思います。こういうことが紙から電子になって紙の制約から自由になったときにも起こるかどうか。これは、この後のメインディスカッションのときに皆さんから意見が出るかもしれませんので、ここではこれ以上取り上げないことにします。

[資料P7]

[資料P7]次に、電子書籍になって登場するかもしれないルール。これもまたアイデアベースで、具体的にこうだということではないですが、いくつか参考例として考えてきたものを挙げることにします。一つは禁則処理の拡張、時間軸方向の利用、3Dディスプレイにおける紙面垂直方向の利用、アクセシビリティ向上。

[資料P8]

[資料P8]まず「禁則処理の拡張」ですが、禁則処理というものがなぜ発生したか、それは何を解決したかったのかを考えると、意味としてひとまとまりのものが離れて置かれると分かりにくくなる。それで、これを解決したいというのが元々の起こりだと思います。この課題に対して他にも解決策がないだろうかと考えると、今は基本的には禁則「文字」といわれるように、文字ベースで、例えば句読点が行頭に来ないだとか、文字に基づいて禁則をしていますが、それ以上、語以上の意味のまとまりに基づいて禁則をすることも考えられるんじゃないかと思います。

意味としてひとまとまりの部分は、なるべく離さず、意味の切れ目で改行されるようにしたい。これは、くしくも先ほど村上さんの発表にもあったので重なりますね。電子書籍になって禁則処理は緩くなる方向性もありますが、ここでは、こういった、むしろ逆に禁則処理を今まで以上にやるんだという方向性について考えてみたいと思います。

[資料P9]

[資料P9]具体的には、一番上の行をちょっと読んでいただきたいのですが、これは何と読むかというと、普通「ちくさん・ぶっか・かくやす・じょうほう?」(畜産・物価・格安・定法)となって、なんだそりゃと思うんですね(笑)。二番目は次の行に「価」を回した場合、この場合どうなるかというと「ちくさんぶつ・かかく・あんてい・ほう」(畜産物・価格・安定・法)と素直に読めると思います。これは、こういう変な例ですけれども、実際にある法律の名前で「畜産物の価格安定に関する法律」というものの場合です。

これは、実は自動で処理するにはちょっと難しい例で、先ほど村上さんの発表にあった、文節の切れ目を自動的に解析しようとしても、どこでも切れちゃうんですね。だから形態素解析で自動的にやろうとするのはちょっと難しいんですが、どのように実現するかはさておき、このように「畜産物」で改行したとすると、きれいに読めるんじゃないか。この画面ではラグ組みになっていますが、ラグ組みにするのがよいとかジャスティファイにするのがよいとかを主張したものではありません。

[資料P10]

[資料P10]もう一つ、さらに例を挙げると、一番上の行、「なになにと話をしていた」という、これ。私は、「を」という助詞が行頭にあるのは、なんかこう、すんなり読めないなあという気がするんですね。で、次の行、「を」をぶら下げたとして、「話を」どうしたんだ、という気がしてしまいます。それで、三つ目のこの行、「話を」までを頭に回してしまえば、ああすんなり読めるなあと思えます。これはもう非常に些細な話なんですが、こういう文の構造に基づく改行位置決定も自動処理できるんだったら、やってもいいんじゃないかと思います。

[資料P11]

[資料P11]次に、今までは行の話でしたが、ページが変わるということもあって、行が変わるだけよりも強い分断が発生する。これをどう扱うかという課題が含まれています。京極夏彦さんは、一つの文がページをまたがないように自分で手を入れているそうです。ここには文がページをまたがないという「禁則」ルールが、彼なりのルールがあるわけですが、こういうものも当然電子書籍の中に組み込もうと思えば組み込んでいくことができます。

[資料P12]

[資料P12]次に、これは先ほどの意味に基づく禁則とは別の例です。例えばメールなどを書いているときに、自分の好きな場所で改行できるような文章を書いていると、意図しないところで句読点が並んでしまったりなどが気持ち悪いと思うんですね(笑)。意図しない視覚上のリズムが発生してしまって、別に詩として表現したいわけじゃないのに、なんかこれいやだなあと。そういうものも、これはこの文字を次行に送ってしまえばズレるわけで、解消できる。こういうことも、まあやろうと思えば、自動的に解消できます。

[資料P13]

[資料P13]今度は、ちょっと話は変わって、「時間軸方向の利用」です。これは何かというと、本文は、基本的には連続的に読んでいきます。これは語りと同じですね、語りというのは時間軸の方向があって連続的に進んでいくわけです。ルビとはどういうものかというと、真っすぐ読んできたものが、途中からビッとこのように本文と並列的に分かれて読むわけですね。注や図版は、途中まで行って、ぽーんとこっちに飛んで、こっちを読んで、また戻ってきてというように非連続的な読み方を提供している。ルビや注は、そういう工夫だと捉えられると思います。これは元々は語りという時間軸方向に真っすぐ進むものだったのが、二次元の紙の上に組版された結果、語り手側の時間の進行に都合を合わせなくてもよくなって、二次元の上で自由に飛べたりだとか、読み手のペースで読んでいく時間の自由が獲得されたということだと思うんです。

これはすごくいい発明だったと思いますが、ときとして思い入れたっぷりに親文字よりもものすごく長いルビが付いてしまって、それはどう組版しても読みにくいというようなケースだとか、読者によっては「もうそんな読み方は分かっているからいらないよ」というようなルビが表示されていると邪魔だと、気が散るという話があったりもします。

[資料P14]

[資料P14]そういうものに対して、電子書籍では、その特質として、紙と違って表示を変えられる、時間軸方向に変化できるので、それを利用した解決策がいくつか考えられるわけです。例えばルビ表示レベルを読者によって変えられるようにする。レベルゼロというのは最小限のルビですね。筆者が作品表現として使っているものは消すわけにいかないので、そういうルビだけを表示して、それ以外のルビは表示しないとか。他にも例えば、表外音訓を含む語だけにルビを表示するとか、小学校何年生以上で習う漢字だけにルビを振るとか、総ルビにするとか、いろいろなルビ表示レベルが考えられます。こういうものがユーザによって選べるようにしてしまえば、先ほどの読者によっては不要なルビが邪魔だとかそういう問題は解消できるということですね。他には、紙の場合、普通、ある単語が最初に出現した場所にだけルビを振ると思いますが、これも電子書籍になった場合、最初にだけ振るのか全ての箇所に振るのか、選択できるようにするというのもあると思います。

[資料P15]

[資料P15]先ほどの、必要性が高くないルビ、例えばこの画面にある「必要性の高くないルビ」の「高」に「たか」と振ってあったとして、それがなくても通常は読み間違えようも意味の取り違えようもないわけで、そういうものは、分からない人だけが単語を長押しすると、そこに読みが表示されるという形で代替してしまっていいんじゃないかと思います。

もしもそれが毎回押すのが面倒臭いよという話であれば、先ほどのルビの表示レベルを変えておけばよいので、そういうところと連動してくるものと思います。こういう、何かアクションしないと情報が得られないのは鬱陶しいという話がありますが、将来の、道広さんのおっしゃったマジックの話をするならば、iPad2なども内側にカメラが付いていますから、そのカメラでユーザの視線を追うことによって、同じ場所をじーっと見ているんだったら、そこに自動的に意味をポップアップ表示するとか、そんなことも将来的にはできるわけです。そうなったときに、今だったら鬱陶しいけれど、それだったらOKかだとか、そういうことが考えられると思います。

[資料P16]

[資料P16]同じことは注に対しても言えて、例えば後注で注をまとめて見たいよということがあると思いますが、後注は後注で用意して一覧性を確保しつつも、語句や合印をタップすることで、移動せずに注が確認できる形式なども考えられます。例えばこの画面(PDF)のようにツールチップ型の注が出るわけですね。今だってこれはできていますが、同じことは電子書籍でも当然できるわけで、こういうのも画面が狭いときに対する有効な解決策の例だと思います。こういうインタラクティブな表現は何に向いているかを考えると、ルビはそもそもメインとサブパートをハモって読みたいものですから、それをこうポップアップされるのはちょっと不自然なので、注や図版のように、そもそも非連続的な読まれ方をすることが想定されているものの方に向いているんじゃないかと思います。

[資料P17]

[資料P17]もう一つ、時間軸方向の利用というときに、これまで紙は固定された文字の状態でしたが、電子書籍では文字そのものが動きを持つ可能性があります。例えば、「わくわく」と書いてある文字が本当にわくわくという様子で動くとか、AppleのMac OS X Lionになって入った動く絵文字だとか、文字自体が変形してしまうなんていうものもあるかもしれません。こういったものは、キネティック・タイポグラフィという、動画やAdobe Flashなどで多く用いられてきた表現、例えば文字がどーん、どーんと出てきて伝えるとか、そういう表現が思い起こされます。このキネティック・タイポグラフィについては、後ほど前田さんから詳しいお話があります。

[資料P18]

[資料P18]こうした表現が電子書籍にももたらされる場合、文字や行が少しずつ表示されるようになったときに、例えばセリフがちょっとずつ表示されてきて、大事なセリフの前で、ちょっとタメがあってから思わせぶりに表示されるとか、そうなったときに、そこに、――これって組版かって言われると、もう組版じゃないですけど(笑)――、時間的な禁則だとか、時間的な二分アキだとか、そんなようなよく分からないルールというものが、もしかしたら生じてくるかもしれません。こうなってくると、もうゲームの表現と似てきてしまうかもしれないので、ゲーム業界もしくは映像表現の業界の人の方が、こういうことを考えるには慣れているかもしれませんね。

[資料P19]

[資料P19]もう一つ、さらに荒唐無稽になってくると、3Dディスプレイ、3Dテレビがはやっていますが、同じように電子書籍で3Dディスプレイに対応したときに、当然、紙面垂直方向、奥行き、もしくは手前側も使えるようになります。そのときに、まあ陳腐ですけれども、圏点で強調する代わりに、ばーんと飛び出して見えるとかっていうのも当然できるわけですね。まあ私たちの感覚からすると、ちょっとどうかなあと思う話ですけれども(笑)。例えばその他にも、ルビや注のような付加情報が、正面からは見えないけれど、ちょっと斜めからずらして見ると見えますよとか、もしくはキネティック・タイポグラフィが今は基本的には二次元でやっているものが、三次元方向にもぐいんぐいん出てくるとかになるかもしれないですね。

[資料P20]

[資料P20]最後に、アクセシビリティ向上について。これは私の義母から聞いた話ですが、若い頃は読書が好きですごくよく本を読んでいたのだけれども、歳をとってからちょっと集中力が衰えてきて、あまりもう読書が楽しめないと。そういうことに対して気遣いの技術としての組版が何かサポートできることはないか考えてみたいと思います。例えば、文脈を追いやすくするための視覚的な工夫。すぐに考えつくのは、視覚特性の違い、人によってどの色が見えやすいとか見えにくいとかいろいろありますから、そういうことに気を遣いながら、本文の中にも色を使う。例えば登場人物に応じてセリフの色を変えるなどですね。印刷の場合、雑誌は別として、基本的に黒一色が多いと思いますが、カラー端末の場合、色は自由に使えるわけで、それを適切に使うことで何か解決することができるんじゃないかと思います。

他に、短期記憶を補助してくれる仕組みというのは、これはもう組版の話というよりは、端末側機能の話ですね。アクセシビリティといったときに、文字の大きさを変えられるとか、コントラストを変えられるとか、音声読み上げができるとか、そういう端末側がサポートする機能がいろいろあります。それらに加えて短期記憶を補助してくれる仕組みというものも提供できないか。例えば入り組んだストーリー展開で、どこまでどうだったかというようなことを、ユーザのその短期記憶を補助してくれるような仕組みを何か端末側でサポートしてくれたらと思うんですね。

[資料P21]

[資料P21]終わりが近づいてきました。最後に「電子書籍は書き手の表現に変化をもたらすか」。これまで見てきたようなものは、ほとんど、果たして書き手がそれを使いたいと思うかというと、例えば3Dでボンと飛び出してくる文字とかって、書き手が使いたいと思うかというと、ちょっと分からないところで、読者の立場からしてみても、まあ、ほぼキワモノに見える。私自身、こうやって、そうしたキワモノのようなアイデアを書いていますけれども、普通に紙の書籍の組版を再現してくれた電子書籍の方が読みやすいと思うし、その方が落ち着くんですね。

ただ一方で、電子書籍になって、パラパラっとめくれなくなったことの結果、あまり前の方に戻らなくても分かりやすいような、伏線をあまり張らない書き方に作品自体が変化していくという意見もあって、ナビゲーションの悪さ、デバイス側の悪さを、作品、作り手の側がカバーしてしまうことが起き得る。そうなると、意外に先ほどの例えばインタラクティブなルビとか、ああいう目新しい、キワモノっぽい表現も、実際に試してみて、それが便利であれば、もしくは利点があれば、徐々に使われて慣れていくのかなと思います。

終わりに。今のような話というのは、半分マジックのような話もありましたが、電子書籍って、まだまだこれからだと思いますので、村上さんがやられているような仕様策定だとか、ビューワや端末の開発だとか、いろいろな機会に、組版の、気遣いの技術というものが、活用できる場所があると思うんですね。紙の組版でも、いろいろな試みがあって、あるものは消え、あるものは残り、というようにしてきています。電子書籍では、今はそれほど組版自体に関して試行錯誤されている感はないので、これからさまざまな試行錯誤をして、電子書籍の特質を生かした次世代のスタンダードとなるような組版が、――今私たちが紙で見ている当たり前の組版も昔の人は発明だったわけで、そういう後の世に残るものが――、電子書籍においても登場することを期待したいと思っています。以上です。ありがとうございました。

本間淳(ほんま じゅん)
Android向け縦組み表示アプリ「縦書きビューワ」(青空文庫形式テキスト対応、XHTML/EPUB2簡易対応)、Android向け国立国会図書館・近代デジタルライブラリー閲覧アプリ「近デジビューワ」開発者。フェリックス・スタイル取締役。twitter: @2SC1815J
トップページ お問い合わせ