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第45回「古代エジプト文字に句読点?」

開催概要

もじもじカフェ第45回「古代エジプト文字に句読点?」は終了しました。
日時 14:00〜16:30(開場13:30)
会場東京阿佐ヶ谷
ゲスト永井正勝さん(一般文字論探求者)
参加費1200円(飲み物つき)
定員30 名

内容

古代エジプトの神殿や石碑を彩るヒエログリフ(聖刻文字)や,パピルスや粘土版に書かれたヒエラティック(神官文字),そしてヒエラティックを崩したものと考えられているデモティック(民衆文字)という三種類の古代エジプト文字は,ロゼッタストーンを解読したシャンポリオンの例を引くまでもなく,古来人々を魅了し続けてきました。

ヒエログリフは動植物・道具などをかたどった象形文字であることから表意文字と誤解されがちですが,実は表意文字よりも表音文字として使われているほうがずっと多いことがわかっています。

また,筆記体であるヒエラティックで「句読点」と呼べる記号がすでに使われていたり,ギリシア文字を添えて読み方を示した「ルビ」があったり,赤字による校正とその修正の跡が見つかるなど,古代エジプトには現代にも通じる高度な書字文化が既に存在していたことが近年の研究により分かってきました。

古代エジプト文字を探求しつつ,古今東西の文字に共通する原理を探る「一般文字論」の構築を目論む,筑波大学の永井正勝さんに,めくるめく古代エジプト文字の世界をご案内いただきます。

ゲスト

プロファイル

写真

永井正勝さん
(一般文字論探求者)

永井正勝(ながい まさかつ)

筑波大学人文社会系助教。小学生の頃より古代エジプトに関心を持つ。高校生の頃,インディ・ジョーンズ「魔宮の伝説」でジョーンズ博士が古代文字を読むシーンを観て,エジプトの聖刻文字が読めるようになりたいという衝動に駆られる。以降,その思いを抱きつつ,いつの間にか現在に至る。道中,エジプトで発掘を経験したり,イスラエルの大学で学んだり,写真撮影に取り憑かれたりと人生の旅を楽しんでいる。聖刻文字やヘブライ文字など日本では馴染みの薄い文字に日々接しているが,その射程に一般文字論の構築を見据えているというのがちょっとしたコダワリ。著書に『描こう!世界の古代文字』(マール社,2005,共著),『図説 世界の文字とことば』(河出書房新社,2009,共著),「古代エジプトの神官文字 書字文化の解明に向けて」『FIELD+』no. 5(AA研,2001,共著),『西アジア文明学への招待』(悠書館,2014,共著),『世界の文字事典』(丸善出版,2015,共著)などがある。

東京外国語大学オープンアカデミー「古代エジプトの聖刻文字(ヒエログリフ)を読む」講師 2016年4月18日~7月4日の全10回(本郷サテライト)