ウク語ダ単の凡例
「ダジャレで覚えるウクライナ語単語」(略称:ウク語ダ単)を正しく活用するために必ずお読みください。
はじめに
「ウク語ダ単」はダジャレを利用してウクライナ語単語の語形と語義の結びつきの記憶を強化するものです。
ここでいうダジャレとは「語形の類似性を利用した言葉遊び」のことです。
単語を知るためのものではありません。各語の発音,正確な語義などは必ずご自身の学習教材できちんと学んでください。
記憶カード
一つ一つの単語は以下のようなカードで示されます。
донька(娘)という単語を覚えるために「娘がどうにかしてくれる」という記憶フレーズ(④)を提示しています。
単語(①)にアクセントが二つ付いているときは,どちらのアクセント位置もある(アクセントに揺れがある)ことを示しています。
語義(②)は簡易的なものです(後述)。
記憶フレーズ(④)で,文字色を変え太字にした箇所(⑤)は語義です。
下線部(⑥)は単語の発音([ˈdɔnʲkɐ])を日本語の音(「どうにか」)に当てた箇所です。
記憶フレーズの下には,場面・状況を思い浮かべるための補助的な文章(⑦)が置かれています。
カード右上の「LINK」(③)は,このカードを単独で表示するページへのリンクです(後述)。
カード右下の「Wiktionary (en)」(⑧)は英語版 Wiktionary の当該単語へのリンクです(後述)
語義
語義は参考資料(下記)を元にして初級段階で知るべき訳語を掲載しましたが,制作者(筆者)が初学者であるため,意味範囲が適当でないもの,あるいは誤っているものがあるかもしれません。
語呂
発音
語呂合わせのためにウクライナ語の発音を日本語の発音に当てはめますが,以下の理由で正確な発音が再現されません。
- 語呂合わせのためにゆるい当てはめをしている
例えば яйце́ の це に「強ぇ」を当てていますが,元の発音をなるべく再現する仮名表記は「ツェー」であって「ツエー」ではありません。
ва はそのときどきで「バ」に当てたり「ワ」に当てたりしています。音節末の в も「ウ」だったり「ブ」だったりしています。 - そもそもウクライナ語の発音に素直に当てはまる日本語の音がないこともある
例えば母音が後続しない г は仮名で表しようがありませんが,慣習に倣って「フ」に当てたりしています。
и はイではありませんが,イ段音に当てたり「ウイ」「ウィ」の音に当てたりしています(ри をルイとするなど)。 - 綴りを優先した場合がある
例えば вокзал の к は後続の з の影響で有声化して発音されますが,無声音として「僕、ザル」を当てました。
以上から,単語の発音は記憶フレーズに惑わされないようしっかりと覚える必要があると分かります。
語形
語呂部分は,「до́нька」→「どうにか」のように,基本的に単語の辞書形を用いています。
「辞書形」とは,名詞なら単数主格(ただし複数名詞の場合は複数主格),形容詞なら男性単数主格,動詞なら不定形,などのことです。
しかし,辞書形で語呂合わせが作りにくかった場合,他の変化形を用いることがあります。
その場合,用いた変化形を記憶フレーズの枠内右下に示します(⑨)。
上の例では,ю́ний の女性単数主格 ю́на を用いて「言うな」に当てています。辞書形を使わなかったものはほぼこのパターンです。
*
動詞については,例外なく -ти, -тися を除いた部分 を使っています。
たとえば боя́тися であれば「боя́」部分を採って「ぼやーっ」に当てています。
不完了・完了がペアになっている記憶カードでは,語呂合わせが作りやすかったどちらか一方を採用しています。両方採用したものも少しあります。
Wiktionary へのリンク
「Wiktionary (en)」のあとに続く単語は 英語版 Wiktionary の当該単語ページへのリンクです。発音・語義・変化形・語源などが確認できます。
ただし,Wiktionary は誰でも編集に参加でき,正確とは限りません。とくに語源(etimology)については学術的根拠の薄いものが混じっているようです。
Wiktionary に単語が掲載されていない場合はリンクが表示されません。
動詞が不完了相・完了相のペアで記憶カードになっている場合,それぞれにリンクしていますが,Wiktionary に一方しか掲載されていないことがしばしばあります。この場合,リンクは一つになります。
ランダム表示
ページ内の ボタンを押すと,ランダムに一つのカードが表示されます。スキマ時間にスマホなどで見るのによいでしょう。
ランダム表示のページでは画面をリロードするだけでカードがランダムに入れ替わります。
使い方のコツ
記憶フレーズが表している場面・状況をできるだけ「絵」として思い浮かべましょう。時間をかけ想像力を働かせて,自分がその場にいるかのようにイメージを膨らませるとよいでしょう。
記憶フレーズを音読すると記憶に残りやすいでしょう。とくに七五調になっているものはそのつもりで読むとよいでしょう。
記憶フレーズは日本語なので,音読するときは語呂部分も日本語として読むことになりますが,合わせて Wiktionary の発音を聞くなどして単語の正確なウクライナ語発音も口にするとよいでしょう。
参考資料
ウク語ダ単は主に以下の資料を参考にしています。
- 英語版 Wiktionary
- 『ウクライナ語辞典』ベスト社(2012)
- 『ウクライナ語基礎1500語』大学書林(1995)
- “1000 Most Useful Ukrainian Words, 2nd Ed.”, Ukrainian Lessons (2023)
- “Beginning Learner’s Ukrainian Dictionary”, Lingualism (2022)
- 『ニューエクスプレスプラス ウクライナ語』白水社(2019)
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