第36回「八重山の文字を求めて」
開催概要
日時 | 15:00〜17:30(開場14:30) |
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会場 | バルト(東京・阿佐ヶ谷) |
ゲスト | マーク・ローザさん(言語学研究者) |
参加費 | 1000円(飲み物つき) |
定員 | 30 名 |
内容
沖縄の八重山諸島には,固有の文字がありました。それは「カイダー字」(現地の発音でカイダーディ)と呼ばれています。19 世紀に生まれたと考えられていますが,起源はよく分っていません。「カイダー」の意味も諸説あり,はっきりしません。財産や売買,納税の記録に使われていたようです。明治時代になって標準語教育・識字教育の普及とともに衰退し,いまでは当時から読み書きのできる人はわずかとなってしまいました。書かれた物も多くは失われ,残っている現物は数えるほどです。
カイダー字はどんな文字なのでしょう? なぜこのような文字が生み出されたのでしょう? その背景にはいったい何があったのでしょう?
今回のゲストは,アメリカ出身で現在 東京大学大学院博士課程でカイダー字を研究するマーク・ローザさんです。ローザさんの最新の研究成果や,カイダー字に興味を持ったきっかけなどをお話しいただきます。また,縄の結び目で数を表した藁算(バラザン)や,家族を表す記号(屋号)である屋判(ヤーバン,ダーハン)についても伺います。
(すべて日本語で行います)
ゲスト
プロファイル
マーク・ローザ
1976年アメリカ・ニューヨーク生れ。カイダー字と八重山の言葉を初めて意識したのはバジル・チェンバレンの『琉球語の文法と辞典』を読んだときでした。帝国大学(現・東京大学)の教授であったチェンバレン氏は1893年に沖縄へ行き、首里の言葉を含む全体的な沖縄の文化を研究し、「八重山でまだ使われているかも知れない」象形文字に一言触れて,いくつかの字のサンプルを残しました。これを読んだことをきっかけに他の文献を調べ、与那国と八重山へ行ってカイダー字が使えるお年寄りを探し、修士論文でカイダー字の資料をまとめました。今博士論文で八重山の文字とともに,首里で使われた「スウチュウマ(蘇州碼)」の表記法も研究しています。