第35回「インド系文字,その未知との遭遇」
開催概要
日時 | 15:00〜17:30(開場14:30) |
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会場 | バルト(東京・阿佐ヶ谷) |
ゲスト | 澤田英夫さん(言語学研究者) |
参加費 | 1000円(飲み物つき) |
定員 | 30 名 |
内容
東南アジアや南アジアを訪れると,漢字やラテンアルファベットと異なる多様な文字の数々に圧倒されます。デーヴァナーガリー文字,ベンガル文字,シンハラ文字,タミル文字,テルグ文字,チベット文字,タイ文字,クメール文字,ビルマ文字…これらはすべて古代インドで作られたブラーフミー文字から派生しており,ひとくくりに「インド系文字」と呼ばれます。
インド亜大陸で発達したインド系文字は,やがてパーリ語やサンスクリット語とともに東南アジアに旅立ちました。そこで出会ったのは,パーリ語やサンスクリット語と音韻も文法もまったく異なる多様な言語でした。それらの言語を表すようになったインド系文字は,文字の形だけでなく仕組みも変化しました。
ある文字が,本来書き表していたのとは別の言語を書き表すのに「流用」されたとき,いったい何が起こるのでしょう? 今回は,東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)准教授で,東南アジアの言語と文字を研究されている澤田英夫さんをお迎えし,インド系文字の〈未知との遭遇〉についてお話しいただきます。
※今回のもじもじカフェは,第32回「インド系文字,その華麗なる系譜」 とシリーズになっていますが,第32回に参加されていなくても分かるようにお話しいただきます。
ゲスト
プロファイル
澤田英夫(さわだ ひでお)
1963年,神戸市生まれ。京都大学大学院修了。1990–92年,ミャンマー連邦ヤンゴン外国語学院(現 外国語大学)に留学。現在,東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 准教授。専門はミャンマー北部カチン州のビルマ系少数言語ロンウォー語・ラチッ語の記述研究,および,ビルマ文字を主とする東南アジア大陸部インド系文字の体系の研究。
インド系文字関連の編著としては,「インド系文字 東南アジアへ」(町田和彦編『世界の文字を楽しむ小事典』,大修館書店,2011),『東南アジアのインド古典語碑文選-チャム文字・モン=ビルマ文字編』(高島淳と共編著,東京外国語大学AA研,2006),『図説 アジア文字入門』(町田和彦他と共編著・河出書房新社,2005)など。