トップ > テーマ > 第33回「人の名づけに使える字」

第33回「人の名づけに使える字」

今回は「大阪 DTP の勉強部屋」との共催で,大阪で開催しました。

開催概要

もじもじカフェ第33回「人の名づけに使える字」は終了しました。
日時 15:00〜17:30(開場14:30)
会場大阪市
ゲスト安岡孝一さん(文字コード研究家)
参加費1000円(飲み物つき)
定員30 名

内容

子にどんな名前を付けるかは親の自由ですが,どんな文字でも使えるわけではなく,戸籍法で制限されています。漢和辞典を引いて「これは!」という名前を思いついても,その字が使えるとは限らないのです。

子の名に使える文字は,戦後の戸籍法改正で常用平易な文字に限るとされ,当初は当用漢字と仮名だけでした。しかし,それでは足りないので,当用漢字・常用漢字からこぼれた字の受け皿として人名用漢字が作られ,幾度かの拡充が行われてきました。この間には,出生届の不受理を巡っていくつもの裁判が最高裁まで争われました。また,姓は制限無く名のみ制限するのはバランスを欠くとか,そもそも固有名詞の字を制限すべきでない,あるいは,分かりやすい名前をつけさせるための制限だったのに,読み方を規制しないので難読名が増えたのは如何なものか,などとさまざまな議論がわき起こりました。また,2004 年の人名用漢字見直し案に「糞」や「呪」が入っていたため,ちょっとした騒動になりました。

今回は,人の名づけに使える字がどのようにして現在のようになったのか,JIS コード規格の委員として人名漢字の徹底調査を行った経験もある安岡孝一さんをゲストにお迎えしてうかがいます。そして,今後どうなっていくのがよいか,みんなでざっくばらんに話し合ってみましょう。

ゲスト

プロファイル

安岡孝一さん
(文字コード研究家)

安岡孝一(やすおか こういち)
1965年,堺市生まれ。京都大学 大型計算機センター 助手,京都大学 人文科学研究所附属漢字情報研究センター 助教授などを経て,京都大学 人文科学研究所附属東アジア人文情報学研究センター 准教授。京都大学博士(工学)。文字コード規格 JIS X 0213 の制定および改正で委員をつとめ,その際に人名用漢字の新字旧字を徹底調査した経験を持つ。著書に『新しい常用漢字と人名用漢字』(三省堂),『キーボード配列 QWERTYの謎』(NTT出版),『文字符号の歴史―欧米と日本編』(共立出版),『文字コードの世界』(東京電機大学出版局)などがある。http://slashdot.jp/~yasuoka/journal で断続的に「日記」を更新中。