第32回「インド系文字,その華麗なる系譜」
開催概要
日時 | 15:00〜17:30(開場14:30) |
---|---|
会場 | バルト(東京・阿佐ヶ谷) |
ゲスト | 町田和彦さん(ヒンディー語学者) |
参加費 | 1000円(ワンドリンクつき) |
定員 | 30 名 |
内容
東南アジアや南アジアを訪れると,漢字やラテンアルファベットと異なる多様な文字の数々に圧倒されます。デーヴァナーガリー文字,ベンガル文字,シンハラ文字,タミル文字,テルグ文字,チベット文字,タイ文字,クメール文字,ビルマ文字…これらの文字は異なった言語を表しているにも関わらず,実は親戚関係にあるのです。これらはすべて古代インドで作られたブラーフミー文字から派生しており,ひとくくりに「インド系文字」と呼ばれます。お寺で見かける梵字もその一つで,既に廃れた文字も含めればその数は 30 を超えます。
もじもじカフェでは,めくるめくインド系文字の世界を概観するために,2 回シリーズでこの不思議な文字を取り上げます。第 1 回は,東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所(AA研)教授で,インド系文字に関する多数の著作をお持ちの町田和彦さんをお迎えし,インド系文字の仕組み,その起源,そしてどのように変化して現代のヒンディー語など北インドの言語に使われるようになったか,その変遷を伺います。
*2012年中に開催予定の第 2 回では,東南アジアを中心に,インド系文字が系統のまったく異なる言語にどのように受け入れられていったかをテーマとする予定です。それぞれの回は独立しているので,一方だけのご参加も可能です。
ゲスト
プロファイル
町田和彦(まちだ かずひこ)
1951年,横浜市生まれ。東京外国語大学,アラーハーバード大学(インド)でヒンディー語専攻。ヒンディー語と文字情報学を研究している。東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 教授。ヒンディー語教材作成の必要性から,デーヴァナーガリー文字(インド系文字のひとつ)の印刷や表示をするための工夫を始める(1980年代)。その後,ヒンディー語辞典編纂に着手。ことばと文字との関係に関心が広がるとともに,辞典編纂に必要な文字(各種インド系文字,アラビア文字,発音記号など)の機械処理を手掛ける。著書・編著に『華麗なるインド系文字』(白水社,2001),『ニューエクスプレス ヒンディー語』(白水社,2008),『世界の文字とことば』(河出書房新社,2009)『世界の文字を楽しむ小事典』(大修館書店,2011)など。