第21回「日本語の文字と組版を考える会を振り返る」
開催概要
日時 | 15:00〜17:30(開場14:30) |
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会場 | バルト(東京・阿佐ヶ谷) |
ゲスト | 前田年昭さん(編集・校正者) |
参加費 | 1000円(ワンドリンクつき) |
定員 | 30 名 |
内容
「日本語の文字と組版を考える会」という公開セミナーが,1996年12月から1999年12月まで,計17回にわたって東京で開かれました。印刷・デザイン・編集など,印刷物に関わるさまざまな職種の人たちが毎回二百人も集まり,セミナーを聴いて熱心な議論を行いました。
この会が始められた背景には,パソコンを使って組版*を行う技術であるDTP の急激な普及による業界の混乱があったと言えるでしょう。第 1 回の,デザイナー・鈴木一誌(ひとし)さんによる「ページネーションのための基本マニュアル」提唱に続き,画像,ワークフロー,文字コードなど幅広いテーマが取り上げられました。
「セミナー」といってもただ教わるだけでなく,質疑応答も盛んで,毎回,数十人単位で行われた二次会は,編集・出版,組版・デザイン,製版・印刷の異業種交流の場ともなりました。さらに,終了後にセミナーの内容と参加者の感想・意見の入った会報が届けられるといった,双方向性を重視した催しでした。
今回は,この会の初回から第12回までの世話人の一人であった前田年昭さんをお迎えし,「日本語の文字と組版を考える会」がどういった問題意識のもとに始められたのか,投げかけた問いは何か,また会の活動が現在に遺したものなどを伺っていこうと思います。
印刷・出版業界外の方の参加を歓迎します。印刷・組版のことをご存じない方でも分かるように配慮しますので,ぜひご参加ください。
*【組版(くみはん)】言語を扱う技芸であり,文字をページに配置する技芸であり,印刷の版(表面にインキを付けて印刷を行うもの)を作るために文字や画像などを配列すること。
ゲスト
プロファイル
前田年昭(まえだ としあき)
1954 年大阪生まれ。日雇編集・校正者。思想誌『悍』(はん)編集人。写植組版,組版ソフト開発などをへて 日本語の文字と組版を考える会 世話人(1996–98),日本規格協会電子文書処理システム標準化調査研究委員会WG2委員(1996–99),句読点研究会 世話人(2001–04)。論文に「組版の哲学を考える 規範的ルール観からの解放を!」「技術が〈人間と労働〉にもたらしたものへの問いかけ 歴史のなかの知恵蔵裁判」など。