第16回「活版印刷の時代」
開催概要
日時 | 見学会:13:30〜14:30(13:00受付開始) カフェ:15:00〜17:00 |
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会場 | 見学会:印刷博物館(東京・飯田橋) カフェ:La Stella |
ゲスト | 東海林耕二さん(印刷博物館インストラクター) 木村文敏さん(印刷博物館インストラクター) |
参加費 | 800円(ワンドリンクつき) ※印刷博物館の入場料300円が別途必要です。 |
今回は見学会とカフェの二部構成です。トッパン小石川ビルにある印刷博物館で見学・体験を行い,同じビル内のレストラン La Stella でもじもじカフェを行います。
内容
15世紀半ばにグーテンベルクによって始められた活版印刷は,近年まで500年以上にわたって文字印刷の主流でした。日本でも明治時代に近代的な活版印刷術が導入されて以来,新聞・雑誌・書籍や,広告・名刺・事務用書類など幅広い分野の印刷に使われてきました。
現在は,コンピューター組版,オフセット印刷方式が主流となり,産業としての活版印刷はごく限られたところでしか使われなくなっています。印刷の表舞台から退場したかに見える活版印刷ですが,東京・飯田橋にある印刷博物館館内の工房「印刷の家」では,その技術が伝承され,生きた活版印刷を見学・体験することができます。
今回は印刷博物館のご好意により,「印刷の家」の見学・体験会と組み合わせての開催となります。参加者の方には実際に活版印刷がどういうものかを体験していただき,それを踏まえてカフェでゲストのお話を伺います。「印刷の家」インストラクターの東海林耕二さんには長年活版印刷に携わってこられた立場から,同じくインストラクターで文字デザイナーでもある木村文敏さんには,技術を継承し伝えていく立場から,お話を伺います。
ゲスト
プロファイル
東海林耕二(しょうじ こうじ)
1954年生まれ。秋田県出身。15歳で上京,協進社印刷所で35年間ひとすじに,主に名刺や葉書などを中心に活版印刷に携わる。2005年より印刷博物館「印刷の家」インストラクター。
木村文敏(きむら ふみとし)
1964年生まれ。神奈川県出身。武蔵野美術大学卒業。文字デザイナー。印刷博物館の設立に先立ち,1998年より有限会社嘉瑞工房から活版印刷を学び, 2000年の印刷博物館オープン当初より印刷工房「印刷の家」のインストラクターを務める。武蔵野美術大学非常勤講師,日本デザイナー学院非常勤講師。
終了報告
今回は初めて会場を阿佐ヶ谷から飯田橋に移し,印刷博物館の全面的なご協力をいただいて印刷工房「印刷の家」の見学・体験会とトークの二部構成で行いました。
見学会では,インストラクターの木村さんの案内で,活字棚や植字台を見学。その後参加者の方には,今回のために工房で用意してくださった「活版印刷の時代」というカードを,東海林さんの指導のもと一人一枚ずつ実際にアダナ印刷機(Adana press;写真参照)で刷っていただきました。
カフェ前半では,いつもとは趣向を変え,ゲストお二人の方の掛け合いでお話を進めていただきました。主に東海林さんの 35 年にわたる活版印刷所での経験を軸に,活版印刷が輝いていた時代を振り返りました。
後半では,主催者も驚くほどたくさんの質問が寄せられました。「文撰のときは何を考えながら仕事をしていましたか」「印刷所を渡り歩くという話はあったのですか」などといったかつての活版印刷についての質問から,これから実際に活版印刷を始めたいという方の「資材や器材はどこで手に入りますか」といった具体的な質問などが活発に交わされました。
印刷博物館学芸員の方からは,紙型(しけい)など活版印刷で使われたものを資料として見せていただいたほか,工房で活版印刷した「活版印刷術」という資料もいただきました。
参加者の声
「活版印刷を少し体験して,その様子を見ていたら,皆さんの顔がとても楽しそうな素敵なお顔でした。実際に見て体験できる(編者注:印刷の家は)素晴らしいと思います」
「印刷博物館も初めておとずれましたが,とても面白く見学できました。また,貴重な活版印刷の現場を見ることができて嬉しかったです。できればもう少し実際に体験してみたかったと思います。人数の関係で難しいのかもしれませんが……。」