第7回「アラビア書道の世界」
開催概要
日時 | 2007年6月10日(日) 15:00~17:30(開場14:30) |
会場 | バルト(東京・阿佐ヶ谷) |
ゲスト | 山岡幸一さん(日本アラビア書道協会 事務局長) |
参加費 | 1200円(ワンドリンクつき) |
内容
最近,テレビや新聞などで,アラビア文字を目にする機会が増えてきました。その華麗な曲線は,葦でできた一本のペンから産み出されます。偶像崇拝が禁じられたイスラーム世界において,書道は宗教芸術として非常な発達を遂げ,歴史的に極めて多様な書体を誕生させました。
今回のゲストは,アラビア書道家で,日本アラビア書道協会事務局長としてアラビア書道の普及に取り組んでいらっしゃる山岡幸一さんです。書道実演も交え,歴史的,社会的,また文化的な側面から,アラビア書道の奥深い世界を分かりやすく語っていただきます。
ゲスト
プロファイル
山岡幸一(やまおか こういち)。
1953年,大阪府吹田市生まれ。大阪外国語大学 アラビア語科 卒業。現在,日本アラビア書道協会 事務局長。大学卒業後,関西系商社に入社し,サウジアラビアに計4年間駐在。1994年から朝日カルチャーセンター横浜にてアラビア書道家本田孝一氏(現 大東文化大学 教授)からアラビア書道を習い始める。2005年4月からアラビア書道インストラクターとして活動開始。2006年5月,日本でのアラビア書道普及のため,本田孝一氏を会長として,日本アラビア書道協会を設立。
終了報告
今回のもじもじカフェで,ゲストの山岡さんはまず,一般の日本人にあまりなじみのないアラビア書道の世界について,イスラーム世界での書道の現状や,イスラームの聖典コーランを美しく描くことで発達し,書体が確立されていった歴史,日本アラビア書道協会の活動などを紹介された後,いくつかの書道作品を示して具体的に解説されました。
書道実演では,アラブで最も基本的な書道書体「ナスヒー体」で「もじもじカフェ」と書いていただきました。解説を交えながら丁寧に書き上げられる一画一画の優雅な線に,参加者からは感嘆のため息が上がっていました。休憩時間には,リクエストしてご自分の名前を書いてもらう方や,山岡さんの手ほどきのもと,初めてのアラビア書道に挑戦する方も。
後半には,「作品の文字の周りの装飾は,日本の表具師のような専門の職業があるのでしょうか」「日本の“へのへのもへじ”のような,戯画的な書はありますか?」などの質問が飛び交い,山岡さんがひとつひとつ丁寧に答えられました。また今回は,書道や西洋のカリグラフィーを学んでいる参加者も多く,アラビア書道と西洋カリグラフィーとの比較など,ユニークな視点での質問や意見も繰り広げられました。
また今回は,白水社から編集者の方にお越しいただき,『アラビア文字を書いてみよう読んでみよう』『アラビア書道の宇宙』の 2 冊を割引販売していただきました。
山岡さんのブログ「アラビア書道とその周辺」のエントリー「もじもじカフェでいろいろ」「もじもじカフェではいろいろな質問がありました。」もご覧ください。
参加者の声
「とても興味深かったです。ラテン・カリグラフィーと共通する部分がたくさんあるのだな,と思いました。アラビア書道の作品も芸術性が非常に高いので,もっと日本に紹介されてもいいのでは,と思いました。」